岩手山は南部富士とも呼ばれる。富士山のような美しい裾野を引く山だ。
私が登ったのは、10月の中旬で紅葉のきれいなときだった。




標高 2041m
1987/10/11
八幡平からから岩手山遠望

10月11日

岩手山は南部富士とも呼ばれる。

私は青森県の津軽の出身なのだが、昔から津軽と南部は仲が悪いといわれている。

青森県の真ん中に青森市があるが、ここから少し東に行くと野辺地という町があって、その少し手前に藩境の塚が今でも残っている。
徳川300年の幕藩政治の重みはたいしたもので、津軽と南部は気質も違えば言葉も違う。青森県は今でも西の津軽と東の南部の二つに分かれていると言っても良い。

そんな因縁があるものだから、私も津軽富士の岩木山に対して南部富士と言われる岩手山にについてはけっこう対抗心があったりする。

名前まで、どうしてこんなに似ているんだと思ったりするし、形は岩木山のほうが絶対勝ってるよな等とつまらない愛郷心がわいてきたりする。

とは云いながらも、岩手山に登ってみたら、やっぱり南部を代表するすばらしい山だと感じ入ってしまった。

この山に登ったのは仙台に住んでいたときである。

朝早く仙台を出て、東北自動車道を走って西根ICで降りて、焼走登山口に着いた。

私は、この焼走についてはまったく予備知識がなかったのだが、登ってみて感動してしまった。

焼走といのは溶岩流の跡だったのだ。

登山口から登り始めると、左手に黒い岩が累々と重なっているのが見え始めた。登山道を少し外れてそこまで行ってみると、この岩は火山岩の連なりで、大きな流れのようになって山頂部から下まで広がっていた。すごい景観であった。
浅間山の「鬼押し出し」によく似ている。

登山道はこの溶岩流に沿って続いていた。

けっこう急な登りが続く。

富士山を登ったときの単調さもあったが。

焼走コースは山原を大きく半円を描いて巻いて、不動平に至る。このころから、前方には屏風尾根が岩峰を連ねているように見えるようになる。

岩手山には岩場もあるのか、と驚いてしまった。

不動平は這松が敷詰められていて、緑に覆われている。今まで、荒涼とした火山礫の山腹ばかり見ていたので、なんかほっとする。

ここで一服して、いよいよ山頂を目指す。

火山礫の道をまっすぐに登って行く。火口の縁に登りつく。

今日は快晴で、景色は最高。

火口縁を歩き、最高峰の薬師岳に至る。

ここから、自分の登ってきた焼走の溶岩流をみた。すごい。

目を転じると、鬼が城から黒倉山に至る稜線が見える。岩峰が連なっている。一度はあの道も歩いてみたいものだ。

山頂からは不動平には戻らずに、ショートカットして、真っ直ぐに平笠不動小屋に下った。

火山礫の中の道で、途中、踏み跡が不鮮明なところもあった。

富士山の砂走を下ったときの感じで、走り下った。

東北自動車道のパーキングエリアで休憩しながら、岩手山を振り仰いだ。

秋の澄んだ青空に、富士山んのようにきれいな裾野を広げて、すっくと聳えていた。

やっぱり、南部富士の名の通りのすばらしい山だと思った。


山麓から岩手山を仰ぐ


火山礫の道を急登する


溶岩の上に座って


屏風尾根を見下ろす


御釜湖


岩手山山頂


山頂から下界を見下ろす





八幡平から見た岩手山






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